【新世代による新世代のためのモバイルクリエイティブ論】
「”個の時代”に見るクリエイティブの在り方」。
ユーザー体験を作り続ける若手デザイナーが見つめる動画の未来とは。
  • Creative Designer 糸井 まどか
【新世代による新世代のためのモバイルクリエイティブ論】
「”個の時代”に見るクリエイティブの在り方」。
ユーザー体験を作り続ける若手デザイナーが見つめる動画の未来とは。
  • Creative Designer 糸井 まどか
代表 菅野自らがインタビュアーとなり、各事業各部署のFIVEメンバーがどのような思いを持って日々を過ごしているのかを赤裸々に語ってもらう対談シリーズ「Life at FIVE.」をお届けします。
今回は、クリエイティブチームに所属する糸井まどかにインタビュアーを敢行しました。インターンを経て今年の3月に入社したばかりの彼女が、現代と未来のデザインをどのように考え、どのような思いで日々実践しているのか。赤裸々に語っていただきました。
糸井 まどか

糸井 まどか

Creative Designer

2016年8月、大学院生時代にインターンとして入社。
大学院では表象文化論をメインに、生活に携わる様々なデザインについての研究を行う。
2018年3月に正社員として入社後は、トレンドを素早くキャッチする若者の視点に常にフォーカスを当て、流行と技術のマッチングを実現するために日々可能性を追求している。

それでは糸井選手!よろしくお願いします!


糸井
糸井

よろしくお願いします!


あれ、そもそもなんで「選手」って呼ばれてるんだっけ?(笑)


糸井
糸井

いや、実はわからないんです(笑)。最初は確か「パイセン」でした(笑)

デザイン研究の実践の場としてFIVEへ

早速にはなりますが、糸井さんは今年(2018年)の3月にFIVEへ正社員として入社してくれました。ただ、実はその前からインターンアルバイトとして経緯がありましたよね。


糸井
糸井

はい。2016年から1年半ほどインターンをしていました。大学院1年目の夏くらいからです。


大学院での研究分野はどのようなものだったんですか?


糸井
糸井

私はデザインの歴史にフォーカスを当てた表象文化論と呼ばれるような分野の研究を行っていました。もともと、芸術としてのデザインではなく生活の中で必要なデザインがどのようにして生まれたのかなどについても興味がありました。マーシャルマクルーハンが提唱したメディア論に触れたり、視覚にまつわる新しい技術が次々と登場するのを目にしたりする中で、視覚と我々の関係が変わってきていることについてより強く興味を持つようになりました。

「表象文化論」
表象という観点から、人間への理解を深める学問のこと。 表象とは人間が世界をイメージしてその行為を通じて表現されたものを指す。 代表的な例としては視覚に表現される絵画や写真など。

なるほど。もともと「デザインの成り立ち」に関心があって、その研究テーマを選んだと。


糸井
糸井

そうですね、言うなれば視覚表象でしょうか。視覚情報と呼ばれるものは観ているものだけでなく、それを観ている人の過去の感情や記憶を呼び起こすものなので、非常にざっくり言うと視覚情報とそれらが私たちにもたらす関係性について研究していました。


へぇー確かに、純粋なイメージって存在しなくて、人の記憶や感情を喚起してはじめて、ひとつの体験になるものね。そうした研究を行う傍ら、FIVE にインターンで来てくれていたわけです。


糸井
糸井

デザイナーと企業のマッチングサイトにポートフォリオを掲載していて、声をかけていただいたのが入り込みではあるのですが、インターンとして入社しようと決意した理由としては「研究者として自分の興味関心と社会的な接点を見つけたほうが良いよ」と研究室の先生に言われ続けたことが強く影響しています。当時は、その接点を見つけることにとても苦労していて…。
声をかけてもらってから FIVE のことを調べていく中で、「映像を目にするその瞬間瞬間でクリエイティブがユーザーにどのような印象を与えているのか」を追求している部分と、自分の興味のある研究分野と繋がっているなと感じました。それでインターンとして参加してみたい!と思ったんです。


自分の研究の実践の場として選んでくれたと。当時は、FIVE はまだ10人ほどの規模でしたね(笑)


糸井
糸井

そうでしたね!(笑)すごく小さいサイズのポストイットに、オフィス全員の座席図が描かれていたのを覚えています(笑)。ここに収まるの?!って、ビックリしました(笑)。

同じ世代の人達のやりたいことは、形が違うだけで根本は変わってないのかなって


そんなインターン期間を経て、フルタイムになり、どんどんやることも変わってきているのかなと思うけど、自分の考えるデザインの実践が出来ている手ごたえはありますか?


糸井
糸井

素早く配信の結果が可視化できて、自分の実践したデザインの効果もすぐに認識できると手ごたえを感じることはあります。ですが「自分の考えるデザインが何なのか」というところまではまだまだ行きついていません。でも逆に、それは面白いなと思うところでもあって。すぐに到達してしまったらつまらない。


ちなみに糸井さんが今どんな仕事をしてるのかを三行くらいで教えてもらえます?(笑)


糸井
糸井

え!三行?!(笑)そうですね・・・、
・今はクリエイティブデザイナーをやっています。
・チームの中で企画やデザイン案を提案・実施して、
・実際に動画の製作までをワンストップで担っています


ありがとうございます(笑)。日々の仕事で、自分の作り出した動画クリエイティブはユーザーにどう届くのか?って想像しながら作っていると思います。そういうところの苦労とか、おもしろいところってどこにありますか?


糸井
糸井

菅野さんも良くおっしゃっているように、スマートフォンの登場によって隙間時間の奪い合いが常に発生していると思っています。でもその意識は FIVE に入るまでありませんでした。気がつけばスマートフォンを開いていることに理由も感じてなかったんです。
FIVE に入社して自分の隙間時間をつかっているという意識を持つようになりました。けれども広告を実際に視認している人達は「時間をつかっている」という意識はないと思います。そういう人たちにとって「ほぼ無意識な状態でも刺さるクリエイティブ/直感的に面白いとわかるクリエイティブ」は何なのかを考える事は面白いな、と。メディアごとに利用するユーザーの目的も違うと思うので、このメディア上ではどういう属性のユーザーが多いのかなって想像しながら制作していく過程は、大変だけどとても楽しいですね。


なるほど、それはすごく面白いね。ユーザーの気持ちを想像するために、クリエイターとして普段心がけていることって何かあります?


糸井
糸井

10代向けのメディアに配信をするクリエイティブの制作を担当した時があって、その時はユーザーの属性と行動を色々研究しました。今の10代が平日をどう過ごし方をしているのかを知りたくて、その時掛け持ちしていたアルバイト先の高校生とSNSで繋がったりとか。
普段どういう写真上げているんだろうとか、この時間なにしてるんだろうとか。結論、いくつかの答えも得ることができて。10代の日常を考えるところから考え始めて、手ごたえがありましたね。


そういう意味で言うと糸井さんは10代と年齢も近いし、普段の気持ちとかも理解できそうですよね。


糸井
糸井

自分の高校時代はどうだっただろう、と思い返したりもするんですけど・・・。


やっぱりジェネレーションギャップはありますか?(笑)


糸井
糸井

ありますね(笑)。その上、私の地元は秋田の田舎だったので(笑)。「放課後マックで喋る!」とかなかったですし・・・。マックに行くのに20分かかるとか、そういうレベルでした(笑)


隙間時間は、自転車で移動 みたいな(笑)


糸井
糸井

そうですね(笑)。でも、地域が異なっていても、同じ世代の人達のやりたいことは結局共通しているのかなと思っています。友達と喋って友情を確かめる、とか。形が違うだけで根本は変わってないのかなって。

クリエイティブチームやデザインチームの仕事は、映像を作るだけではなく、そういう「体験を作る」という部分もある

そうだよね。根本的な欲求のようなものは変わっていないよね。


糸井
糸井

今の時代、どんな人でも利用のできるクリエイティブツールが沢山生まれていて、その上簡単に使えます。昔はそのようなものがなかっただというけで。
「私の時代で流行っていたもので例えると何かな?」って考えたんですけど、デコメがそれかなって。友達の誕生日にすごい長いメールを時間かけて打って、そこ子にどれだけ時間を割きましたというのを伝えるという。その部分が根本的に変わってないのかなって。

「デコメ」
デコレーションメールの略称。 2000年代初期に登場した、文字や背景の色を変えたり画像を貼り付けたりして、 視覚的効果のあるメッセージをやりとりすることができるメールサービス

確かに面白いね。ツールが変わったから表現も変わっているけど、人のエネルギーはもともと一緒で、形がどんどん変わってきてるけど、根本は近いってことなのかな。


糸井
糸井

そうだと思います。なので、若い人達の感性を前にして「世代も違うから」で済ましたくはありません。そこは諦めたくないなって思います。昔から変わってないからこそ、歩み寄っていかないと、って。


スマートフォンとかアプリケーションは若い世代から浸透して、流行りもそこから生まれ、トレンドが作られることが多いですが、逆に糸井さんと同年代や若い層以外の人達に対しての映像表現やデザインはどうアプローチしていけると思いますか?


糸井
糸井

色々な映像表現を観るようになってから気づいたのですが、動き方にも流行りがあるなと思っています。「流行りの動き」とでも言うのでしょうか


モーショングラフィックみたいな話?


糸井
糸井

それもあります。その時代にユーザーが感じている気持ちの良い動きですね。今GIFが流行っていたり、あえてアナログのような表現を巷でよく見るようになったり。


たしかに。あえてスムーズじゃない動きのクリエイティブも最近観るよね。


糸井
糸井

その「流行りの動き」を取り入れて、自分が作るクリエイティブにどう生かせるかなって考えたんです。人間の目のフレームレートは30フレームほどしかないらしいんですね。認識できるのが24フレームくらいらしくて。


へー!映像のフレーム数よりも人間の目のフレームレートの方が遅いんだ。


糸井
糸井

はい。でも何となく理解できるらしいんですよね。ある実験によると、24フレームより少ないと、情報を獲得できる確率が下がるという結果になったみたいです。


なるほど。先ほどはユーザーの気持ちのお話だったけど、糸井さんが考える「スマートフォン」というデバイスでみたときに、クリエイティブを考えるうえでのポイントとかはどのへんにあると思う?


糸井
糸井

例えばですが、テレビの時はリモコンで操作していましたよね。画面と操作が別々でした。それがスマートフォンの登場によって指を使って操作するようになっていきました。そのようなところから「映像と触覚が近づいている」という話を大学の時に先生と話したこともありました。そこをもっと意識すべきなのかなって。


なるほど、そうかもしれないね。スマートフォンの登場で、人は指先のインターフェイスで情報を操るようになった。


糸井
糸井

スマートフォンに慣れていない世代の方々がスマホを触っているところを観ると、楽しそうだなって思うことがあるんです。触ることのなんか楽しさを感じている印象があるんです。なので例えば「触ってみたい!」と思われるものを作れたらいいのかもしれないと思うことがありますね。可能性は色々あります。


そうだね。クリエイティブチームやデザインチームの仕事は、映像を作るだけではなく、そういう「体験を作る」という部分もありますよね。新しい映像体験の在り方はまだまだある気がするよね。


糸井
糸井

毎月速度制限に追われる時代からも変わりつつありますし、制限されるストレスから解放されてきている中で、操作感覚の新しさみたいなものが求められるのかもしれません。広告に対してもユーザーが寛容になるのとも思っています。そんな状況だと、ユーザーが広告を選べたりしたらおもしろいのかなって思ったりもします。


ほうほう!選べるって、どういうイメージですか?


糸井
糸井

カテゴリを絞って、ユーザーが観たいと思う広告を能動的に選んでもらう。「ゲーム広告だけ!」とか「大人な雰囲気の媒体には大人っぽい広告しか出さない!」とか、そのような選び方が出来るなら面白いかも、って思ったりしてます。


うん、じゃあそういうの作ろうよ(笑)

今後は「どう発信するかというところまでを考えられる個人」が注目されるのではないか

少し先の未来を考えたいのだけれど。いまから数年経って、オリンピックが終わり、5Gネットワークも普及していくかもしれない中で、デザイン、映像、コミュニケーションはどのようになっていくと、糸井選手は思っていますか?


糸井
糸井

クリエイティブを素人が作るのがもっともっと当たり前になったりするのかなって思ったりしています。普段からアプリを良く使ってる人が有利になったり。高校生が有利になってきたり。みんながクリエイターになる時代が来るのかなと。


なるほどね!確かにそうかもしれない。われわれの世代だと「Web 2.0」という言葉がありまして。その時には、


糸井
糸井

うぇぶにーってん…?


え…?「Web 2.0」って知らない?聞いたことない?


糸井
糸井

ない…です…。

「Web 2.0」
従来Web上で提供されてきたサービスやユーザー体験とは一線を画する、 新しい発想によって捉えられた、技術、サービス、デザインパターン、ビジネスモデル、 Webのあり方などの総称。 2000年中盤以降、Webにおける新たな潮流を象徴する代表的なキーワードとして度々言及されていた。

当時は「自分が作り手になれるかもしれない」といった期待感があったんです。例えば出版は紙媒体でしか広くに届けられるルートがなかったですが、ブログの登場によって自由に発信できる手段が増えた。現代もソーシャルメディアが普及して、手段も沢山増えたというのが今の状態だと思いますが、糸井さんはそれがさらに加速していくという感覚は持っているのかな。


糸井
糸井

そうですね。今お聞かせいただいた時代の話は、「技術が必要だったのかな」と思いました。当時は何か作るという時には相当の技術が必要だった。そこの技術を獲得するコストが現代ではどんどん下がってきていると思っています。なので、より加速するかなと。


そうなると、その人の地の面白さとか、個性とかが際だって来るのかな?


糸井
糸井

例えばですが、ユーチューバーはYouTubeだけで全てが成り立っている訳ではないと思っています。色々なSNSを駆使して、発信をしているからこそ人気が出ている。なので、今後は「どう発信するかというところまでを考えられる人」が注目されるのではないかと考えています。今の時代だと注目されるのは結構簡単で、逆にそれを維持し続けるのが難しいのかなと。流行り廃りのスピードも早くなっているので。


注目を一瞬浴びるのは簡単だけど、それを維持する事の方が実は大変ですよね。


糸井
糸井

やっぱ消費されちゃうんだなって。


確かにね。それはもしかしたら「人の生き方=生き様」が一番影響していくのかもしれないですね。「個の時代」という言葉も最近言われてますが、フリーランスや副業もひと昔前のような見られ方もされなくなった。逆に言うとそれは「個としての厳しさ」というか。消費されてしまうことも含めて、それをどう打破していくのかを考えることが必要になって来るのかもね。


糸井
糸井

シェアオフィスとかシェアファクトリーのように「専門的な部分を担います」という動きもありますよね。そのように、自分にないものは外にお願いをするという形にどんどんなっていくんですかね。その時だけのコストでその時だけ使う、というような。個は個だけれど、他の個と繋がりつつ「能力をシェア」するような形で。


それは面白いね!それでは最後になるんですが、糸井さんはこれからどのような方と一緒に働きたいですか?


糸井
糸井

FIVE は自由にやらせてもらえる環境です。私の所属しているクリエイティブチームも楽しく自由な発想でやっているので、そのような環境を楽しめる方をお待ちしています!


ありがとうございました!


糸井
糸井

ありがとうございました!


糸井選手、名言多かった(笑)

life at FIVE

MEMBER'S INTERVIEW